<<< チョッピー号を追って >>>

[ 2004年5月24日(月) ]


2004年5月24日(月) 曇りのち晴れ 視程10のち20km 東より5kt RWY 07

 スダチです。

 実はスダチ、普段乗っているモグラやグライダーや飛行機といった羽を持った飛び物だけじゃなく、飛行船や気球と言ったフワフワ系にも非常に心惹かれています。

 熱気球は今でも古河遊水池などで飛んでいるのを見る機会がありますが、飛行船はスダチがライセンスを取った8年前には、既に日本では飛ばなくなっており、ずっと見る機会がありませんでした。
 昨年は、ニッセンとグッドイヤーがそれぞれ広告用の飛行船を一時運航した様ですが、この時も残念なことに見る機会を逸し、悶々としていました。


 今年は5月16日(日)になってから、ニッセンさんがまた飛行船を運航しているという話をインターネットで見つけました。
 ニッセンさんのHPを見ると機体はチョッピー号と言い、本田エアポートに係留しているようです。でも、18日には仙台へ向けて移動する予定らしく、スダチは仕事で見に行くことが出来ません。
 「仕舞った。もう一日早く情報をつかんでいたら、本田APへ見に行くことが出来たのに」と思うものの、後の祭りでした。

 しかし、台風2号による悪天の影響などでチョッピー号の予定も延び延びとなり、仙台への移動は遅れているようです。


 5月23日(日)、この日も雲が低く遠出は出来そうもない天気。ニッセンさんのHPを見るとチョッピー号はまだ本田APに居るようです。
 明日(24日)の天候は回復傾向。いよいよ仙台へ出発してしまうだろう。

 スダチはこれから夜勤。翌24日の夜勤明けで急いで本田APまで行けば、チョッピー号を生で見ることが出来るかも知れない。
 夜勤前、大利根飛行場に寄って、誰か一緒に行ってくれるメンバーを捜しました。平日に休める人はそう多くない。まして、この日の天候では飛びに来ているクラブ員も少な目でした。
 やっと、Tさんを捕まえて、付き合っていただけることになりました。


 
(月曜日のJMGCはお休み。翼を休める機体達。今日はどれに付き合ってもらおうか?)


 仕事が終わって一直線に大利根へ。1015到着。
 Tさんが、機体の準備をしてくれていました。
  m(_ _)m

 一番乗り慣れたモグラG109です。
 

 しかし、本田APに電話するとチョッピー号は既に離陸したとのこと。
 ニッセンのHPに乗っていた飛行コース「宇都宮−黒磯−郡山−仙台−古川」という情報だけで、空中でランデブーすることは至難の技。どうしようか? 一瞬躊躇したものの、早くから準備してくれたTさんも居るし、この機会を逃せば、次回は何時見られるか判らない。
 ダメもとで行ってみようと飛ぶことにしました。

 速攻でフライトプランを入れて緊急発進?
 大利根を1030離陸。

 離陸後、直ちに宇都宮を目指し、プロペラピッチをクルーズにして巡航速度140km。チョッピー号の巡航速度は80kmほどらしい、本田APを午前10時頃に離陸して真っ直ぐ飛んでいるとすると、すでに予想位置は宇都宮に達する頃か?
 宇都宮の市街地を飛ぶのなら宇都宮基地とコンタクトするだろうと、宇都宮タワーの交信をモニターすることにするが、自衛隊のタワー周波数は何処も一緒。ときどき下総基地や百里基地の交信が混信してきて何を言っているのか判らない時がある。
 そんな中で一瞬、ネイティブな英語の発音が聞こえた。チョッピー号のパイロットは外国人かも知れない。「今の宇都宮と話してた?」隣のTさんと首をかしげながら、気のせいかなとも思う。

 離陸して15分。巡航高度2000ftに達したG109は巡航速度170kmに上げて北上を続け、宇都宮アプローチのレーダーエリアに進入。無線機の周波数を宇都宮APPとしてコンタクト。トラフィックアドバイスを受けながら、チョッピー号を探して飛ぶ。


左> 筑波山付近、1000ft付近では雲が少し多かった。
右> 宇都宮市の東側にて、チョッピー号は何処?

 視程は10km程度で以外に悪い。このまま当ても無く探しても、とても見つからないだろう、ダメもとで宇都宮APPに「つかぬ事を伺いますが、宇都宮付近を飛行船が飛んで行ったと聞いたのですが、そちらで確認していませんか?」とカマを掛けてみた。「APPでは確認していません」うーん、ダメか。

 宇都宮市の東を通って北側にぬけ20km位。この辺りは天気も良くて視程も2〜30kmはある。
 「機内でニッセンさんのHPが見られれば、現在位置が判るのに」などと、冗談を言っていて思いついた。

 地上に居る知り合いに電話して確認してもらおう。平日でも比較的自由に動けるHさんに、携帯電話を掛ける。しかし、一瞬は繋がるものの直ぐに切れてしまい連絡は付かない。この手もダメか。

 あきらめて「帰ろうか」と口に出そうとしたその時、

 横のTさんが言った「居たっー」

 そう前方、まだ10km以上先だが遠くに飛行船が見えた。

 機首をチョッピー号に向けると、宇都宮APPよりトラフィックアドバイスが入った「前方にトラフィック、タイプ・高度、アンノウン」、ズルッ。
 (探していたんじゃ。見えていたなら早く教えてよ)と思いつつ。「インサイト」と答え、チョッピー号に注意を集中する。

 
 突然の訪問である。残念ながら本田APで挨拶することは出来なかったし、こちらは宇都宮APPとコンタクトしているので、空対空通信周波数で話かけることも出来い。

 距離を置いてゆっくりと右側を追い越し、こちらに気づいてもらってから、離れる方向に360゜ターン。次の追い越しではもう少し接近し、何時も持ち歩いているデジカメの最大望遠で写真を何枚か撮らせてもらいました。

 巡航中のチョッピー号は、予想外に機首を上げ下げしながら飛んでいた。それは気流の性なのか、高度調整の為なのか? 
 飛行船の操縦はまるで判らない私達であったが、まるで挨拶している様にも見えた。
 こちらも通じない無線の代わりに、翼を軽く左右にフリフリして、遠くて見えないパイロットに挨拶。帰路についた。

 いま日本の空では唯一の飛行船、チョッピー号。北海道までお気をつけて。

 
(by スダチ)