(このページの最終更新日 2003.11.20)
モーターグライダーってなに?

 グライダーって知ってますか?
「あぁ、知ってるよ、良く山の上で三角形の凧みたいな翼の下に人がぶら下がって飛んでる奴だろ?」
 うーーん、ちょっと違います。それは「ハンググライダー」。
「じゃぁ、パラシュートみたいな奴?」
 それは、「パラグライダー」。
 グライダーは飛行機みたいに堅い翼と人が乗れる胴体と尾翼があって、コクピットにパイロットが入って、操縦桿で操縦して飛行するんです。
 離陸と着陸に人間の足を使う「ハンググライダー」「パラグライダー」と違って、車輪やそりなどの機体の一部を使って離着陸するのがグライダーなんです。

ハンググライダー
パラグライダー
グライダー
specual thanks to Mr.Kuchii

 グライダーは動力を使わないで位置(高度)エネルギーを運動エネルギーに変えながら、空を滑るように飛ぶのです。だから滑空と言うんですね
 運動エネルギーを稼いだ分高度は損失しますが、だんだん飛ぶのが上手になってくると、あちこちにある上昇気流を使って高度を回復していつまでも飛んでいることが出来るようになります。

 グライダーは飛行機の仲間ですが、飛行機のようにエンジンを積んでないので、離陸するときはウィンチという大きな糸巻きみたいな物でワイヤーを使って空に引っ張り上げたり(凧上げみたいなもんですね)、飛行機の後ろにつけたロープで引っ張ってもらったりして空に飛び上がるんです。

ウィンチ曳航
飛行機曳航

 これって不便ですよね。グライダーに乗ろうと思ったら,ウィンチを操作する人か飛行機を飛ばす人が別に必要になってしまいますし、地上のグライダーは自分では全然動くことができないので地上で動かそうと思ったら機体を押す人がいっぱい必要です。

 そこで考えられたのがモーターグライダーです。

 グライダーに小さなエンジン(モーター)とプロペラをつけて、離陸と地上での移動に使ってやろう。そうすれば人の手を煩わせずに自分が飛びたいときにいつでも好きなときに飛べるぞぉー。いったん空にあがってしまえば好きなときにエンジンを止めて滑空が出来るし、上昇気流が見つからなくたってまたエンジンを回せばちゃんと帰ってこれる・・・・って考えた人がいたんですね。

 初期のモーターグライダー

 で、試しにグライダーにエンジンとプロペラをつけて飛ばしてみたらこれはこれでとっても便利なことがわかりました。離陸と地上での移動が楽になったのはもちろんですが、そのほかに着陸の練習が集中的に出来るという利点も判ったのです。
 グライダーに限らず飛行機の操縦の練習で何が一番大変かというと、着陸が一番難しいんですね。飛行機ならばタッチアンドゴーと言って、着陸と離陸を繰り返す訓練をすることで1時間に何度も着陸の練習をすることが出来て効率がいいのですが、グライダーはエンジンがないので一回着陸したら必ず停止。また飛行機かウィンチで引き上げなければならいので、着陸だけを集中して訓練することは出来ないのです。
 しかしモーターグライダーならば飛行機と同じようにタッチアンドゴーが出来るので、着陸練習の効率を上げることが出来たのです。

 それにモーターグライダーはエンジンさえ回していれば、上昇気流の有無は関係無しに好きなように飛べるので、飛行機のように使う人も出てきました。そのようなニーズが有れば、ニーズに応えていくのがメーカーという物で、モーターグライダーを作っているメーカーも飛行機のように使えるモーターグライダーを作り始め、居住性はどんどん良くなり、スピードも速くなり、航法計器類も充実してきました。あくまでもモーターグライダーなのですが、うっかりするとセスナ152などの軽飛行機より性能が良くなってしまいました。モーターグライダーでエアラインが飛んでいる空港に行くこともできるのです。
 こうしてモーターグライダーは飛行機の代わりの空の手軽な散歩道具としての一面も注目されてきました。イギリスの空軍などは初等訓練でモーターグライダーを使っているそうです。

 飛行機型モーターグライダー

 ところで、モーターグライダーもグライダーの仲間なのだから滑空してこそ・・・と考える人もいます。先に説明したような飛行機型のモーターグライダーは居住性やスピードや充実した航法計器や大きくなってきたエンジンやプロペラと引き替えに本来のグライダーの大事な性能である滑空比があるところで頭打ちになってきました。
 そこで、本来のモーターグライダーとしての使い方を見直そうと言う人も現れてきました。あくまでモーターグライダーのエンジンは離陸補助用で滑空性能を犠牲にしてはならないと・・・。
このころ既にグライダーの方も進歩を遂げており、機体はなめらかで抵抗の少ないプラスチック製になり、主翼も胴体もより抵抗の少ない細長い形になって、滑空比も50を越えるような物が出てきました。このような高性能グライダーに格納式のエンジンとプロペラを取り付けてしまおうということなのです。離陸上昇だけにエンジンを使い充分な高度に達したら、エンジンを止め、そのままエンジンとプロペラを胴体内に格納してしまい、普通のグライダーに変身してしまうのです。
もはや滑空するのにじゃまなエンジンとプロペラはありません。性能はほとんど普通のグライダーと変わり有りません。
大きく違うのは、普通のグライダーは一度引っ張り上げてもらったあと上昇気流が見つけられなかったら降りるしかないのですが、このタイプのモーターグライダーはもう一回エンジンを出して、上昇し直しが出来ることです。

 エンジン格納式モーターグライダー

 このようにモーターグライダーは飛行機のようにもグライダーのようにも楽しむことができます。飛行機派の人もグライダー派の人もモーターグライダーが操縦できればどちらへの移行も簡単です。
 日本モーターグライダークラブにはいろんなタイプのモーターグライダーがあります。ぜひ一度大利根飛行場においでになってモーターグライダーを味わってみて下さい。


詳しく知りたい人のために

モーターグライダーの定義
耐空類別動力滑空機 実用(U)
最大離陸重量850kgを越えないこと
搭乗者数2名を越えないこと
原動機はレシプロエンジンのみ
重量/全幅の自乗が3kg/m2を越えないこと